糖尿病の合併症とは?

糖尿病を放っておくとどうなるの?

糖尿病は自覚症状がほとんどありません。しかし放置しておくと、身体の様々な場所に不具合が生じます。この不具合を『合併症』といいます。糖尿病の治療は急性および慢性の『合併症』を予防することにあります。糖尿病のことをよく知り、合併症を起こさないように気を付けましょう。

どんな合併症がおこるの?

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糖尿病は痛くもかゆくもない病気です。きちんと管理していけば、糖尿病でない人となんら変わらない生活を送ることができます。しかし糖尿病は放っておいてしまうと神経障害・網膜症からの失明・腎症からの透析と恐ろしいことがいっぱい待っています。
厚生労働省と日本糖尿病協会が協力して制作した糖尿病啓発冊子【糖尿病の治療を放置した働き盛りの今】は体験談をもとにしたパンフレットです。ぜひご一読ください。

急性合併症

糖尿病には急激に悪化し、命にかかわる合併症があります。これを急性合併症と呼びます。

糖尿病性ケトアシドーシス

主に1型糖尿病や、2型糖尿病を発症してから長期経過している、膵臓の手術をした患者さん等、体からインスリンが出せなくなっている方が、何らかの理由でインスリンを打たなかったり、ソフトドリンクなどを大量に飲んだりなど、インスリンが絶対的、相対的に不足することによって起こります。1型糖尿病の発症時などにも起こることがあります。
インスリンは生命維持に不可欠なホルモンです。インスリンが全くでない状態の方では、必ず外からインスリンを補充する必要があります。病気の時などは投与量の調整が必要ですが、中止はできません。日ごろから、主治医と「病気の時はどうすればいいか(シックデイ対策)」をしっかり相談しておくことが大切です。

高血糖高浸透圧症候群

血糖値があまりにも高くなると、体のなかの水分がへり、脱水になります。そうすると脳細胞がカラカラの脱水状態となり、ひどい時には昏睡をおこしてしまうときもあります。特にご高齢の方や、何らかの病気の時などにおこることが多く特に注意が必要です。

慢性合併症

糖尿病の3大合併症

糖尿病の慢性合併症には細い血管がつまっておこる「神経障害」「網膜症」「腎障害」の三大合併症や、大きい血管に障害が起こる「動脈硬化病変」(脳梗塞、心筋梗塞等)などがあります。また、「歯周病」や「認知症」になるリスクも高くなります。一部の「癌」の発症も増加するといわれています。

糖尿病神経障害

神経障害は最も早くから出現する合併症です。足先や足の裏にしびれや痛みなどを感じます。進行すると逆に温度や痛みがわからなくなり、ケガやヤケドが増える可能性があります。傷口から感染を起こしたり、血流が悪くなると、足が壊死し、切断を余儀なくされることもあります。毎日、足先や足裏を観察し、何か異常があれば、早めに対処しましょう。

糖尿病神経障害糖尿病神経障害

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症

眼の奥にある網膜にも障害が出てきます。糖尿病発症後、数~10年で「単純」→「前増殖」→「増殖」網膜症の順に病気が進行し、最悪の場合は失明の危険性があります。初期には自覚症状は現れず、気付く頃には病気はかなり進行しています。見え方に問題がなくても、糖尿病と診断された時点から定期的に眼科を受診し続けることが大切です。

糖尿病腎症

糖尿病腎症

血糖が高い状態が続くと、腎臓も障害されます。腎症が進行し、腎臓の機能が低下すると、透析の必要性が出てきます。日本における透析の新規導入症例数は1998年以降、糖尿病腎症が「第1位」となるなど、深刻な問題となっています。早期には自覚症状がありませんし、健診でもわかりません。しかし、この時期に発見して適切な治療をすれば、元に戻すことも可能です。定期的に通院し、血液検査や尿検査を受けましょう。

動脈硬化

糖尿病では動脈硬化が進みやすい状態です。糖尿病以外に高血圧や高脂血症を合併していると更に動脈硬化が進みます。動脈硬化の進行に伴い血管障害の危険が高くなります。

脳梗塞

糖尿病が無い人に比べて2~4倍発症する危険が高まります。

心筋梗塞

糖尿病の方の心筋梗塞の新たな発症のリスクは、糖尿病のない方の心筋梗塞の再発リスクと変わらないといわれています。上記の神経障害が合併すると痛みを伴わない心筋梗塞が起こることがあり、治療が大幅に遅れる原因となります。

閉塞性動脈硬化症

足の血管が詰まり、歩くと足のしびれが強くなったり、痛んだりします。
時に足が壊疽し切断する原因にもなります。糖尿病が無い人に比べて3倍発症する危険が高まります。